株式会社 未央測地設計
未央測地通信
(みおそくちつうしん)
電波を出さなくなった放送塔は建築物
テレビのアナログ放送が終了した際に、全国のテレビ塔で起こった問題
アナログ放送塔は、電波を出さなくなった以上は、放送用鉄塔ではなく建築物扱い。
すると、同じ建造物にもかかわらず建築基準法の対象となり、法律上の耐震基準が変わるため補強をしなければなりません。
[ 名古屋テレビ塔の例 ]
アナログ放送を停波したことにより放送塔から建築物へ扱いが変わる
建築物=建築基準法に合致しているか?
結果、耐震補強をしなければならない=その費用15億円!!
名古屋テレビ塔が着工されたのは、1953(S28)年のこと。翌年竣工し、1954(S29)年6月20日より、東海3県に向けてVHFによるアナログテレビ放送電波を発射してきました。
停波の問題は、新時代のメディアが声をあげことにより解決されました。
『ジャパン・モバイルキャスティング』がスマートフォン向けの「マルチメディア放送」の電波を発射するという提案が通り、放送塔としての役割が与えられたわけです。さしづめ「名古屋テレビ塔」は「名古屋マルチメディア放送塔」になるのです。
これにより、名古屋テレビ塔はこれからも放送の電波を発射する電波塔であり続けるため、建築基準法の適用は受けず、耐震補強をする必要にも迫られること無く、存続し続けるということが決まった、というわけです。
[次号は都市計画道路についてお話します]